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車いすでのお出かけをお手伝いする予約制タクシー

東京競馬場

マン島TTレースが開催されるイギリス・マン島から来日された御夫婦を、新緑鮮やかな東京競馬場にご案内しました。羽田空港へ到着されたお二人をお迎えし、新宿の宿泊先ホテルへ。14時間の長旅でお疲れの様子でしたが、好転に恵まれた5月5日にホテルへお迎えに伺うと、初夏らしくない気温になるとの天気予報を聞かれたそうで、すっかり夏衣装で車寄せにでてこられました。

この御夫婦は、欧州はもちろん、北米・南米・アジア地域と世界各国を旅して、その国・地域でスポーツ観戦されているそうで、今回の東京滞在中に開催されるNHKマイルカップを観戦したいと、数か月前から問い合わせをいただいていました。

Isle of Man TT Races

奥様が車いすをご利用なので、観戦に備えて、当日早い者勝ちで利用できる車いす席ではなく、前売り指定席券を確保しておきたいとのこと。車いす指定席券には付添者1名用座席も含まれていますので、奥様が車いす指定席券を購入できれば、ご主人も入場できることになります。が、御主人は別途入場券のみを、当日会場にて購入せねばなりません。


フジビュースタンド5階 東車椅子専用席(B指定エリア)


フジビュースタンド5階 西車椅子専用席(C指定エリア)

東京競馬症の指定席券は、すべてオンラインでの購入となっていて、車いす席も例外ではありません。そのうえに、指定席券転売防止策として、まずは会員登録したうえで、オンラインでの購入手続きとなり、当日は購入者ご自身のスマートフォンなどでQRコードを表示・提示することが求められます。今回のNHKマイルカップのようなG1レースとなると、指定席券購入の前に抽選があり、その日程は細々と定められています。会員登録→抽選応募→購入手続きというステップで、運よく抽選に当たれば、車いす席をゲットできるということになります。しかも、このオンラインサイトは、全て日本語表記であるため、訪日客にとっては多難が待ち受けています。この御夫婦が、どのようにこの難関を切り抜けたかは、改めてご説明します。

無事にチケットを購入することができ、送迎前の確認作業にとりかかります。まず、車いす利用者送迎の場合、東京競馬場の何処で乗降するのが適切か、事前に東京競馬場に電話で問い合わせてみると、「駐車場を利用しないなら、正門前の車寄せを利用してください」との返答。当日、正門前に停車したところ、係員の方から、「ここは車いすの方には不便だから、第2駐車場へ入ってください」と指示され、急遽、正門向側の第2駐車場へ。


正門車寄せ


第2駐車場入口

第2駐車場入口に着くと、正門前係員の方から既に連絡が届いていて、スムーズに入場し、府中競馬正門前駅からメインスタンドに繋がる歩道橋へあがるエレベーター前へ案内してくれました。駐車料金は不要です。車いす利用者にとっては、車道と歩道に段差がある正門車道車寄せより、圧倒的に便利で安全です。駐車場を利用される方のためには、エレベーター付近に障害者等用駐車区画が用意されています。係員皆さんの適切な誘導に感謝です。

東京競馬場第2駐車場
東京競馬場第2駐車場

レース終了後に同じ場所へお迎えにお伺いすることを御夫婦と確認して、そのままお二人は、エレベーターでメインスタンドに移動され、ウィルゴは一旦、東京競馬場を離れました。駐車場を退出する際に、係員の方にも、レース後にお迎えがあることも伝えたところ、レース後に戻ってきた際にも、「はい、お迎えですね」と迎え入れてくださいました。

レース終了後、人の波がメインスタンドから、駅へ駐車場へと流れていくなか、御夫婦も笑顔で駐車場へ戻ってこられました。戦果は秘密です。観戦された際の会場内写真を提供してくださり、車いす席・お手洗い・通路・売店レストランなどが素敵に整備管理されていて、スタッフの方々の対応も素晴らしく、たいへん感激されたそうです。もちろん、レースも。

車いす席
パドック
お手洗い
御夫婦撮影写真3点

転売防止策などが導入されることは良いことではありますが、チケット購入の際に、いろいろなハードルがあることも事実です。特に、車いすをご利用の方々にとっては、一般席と異なる手順を踏まざるを得ないことがあります。ましてや、訪日客の方々にとっては、オンラインであれ、電話申し込みであれ、言葉の壁が立ちはだかることも多く、観戦・観劇を諦めてしまうこともあるかもしれません。でも、車いす利用だからというだけで諦めてもらいたくはないですよね。必ず期待に添えるわけではありませんが、東京での滞在を満喫してもらえるよう、できる限りのお手伝いをさせていただきます。